電子書籍の写真はタテが良い──考えてみれば当たり前の教訓
電子書籍を読むのはタブレットにしろ、スマホにしろ、縦長の画面ですから、写真などの画像はタテが良い──というのは電子書籍制作になれた人にとっては当たり前でしょう。
私はボンヤリしていて気がつかず、最後になって、写真をほぼ総替えすることになり、結構、たいへんでした。これから電子書籍をつくろうという方には、もしかすると役に立つかもしれない、写真についてのノウハウです。
紙の本の『豊臣秀吉の系図学 近江、鍛冶、渡来人をめぐって』掲載の写真。電子書籍の写真はこれをタテにトリミングしたものです。
写真は、秀吉の出生伝説のある滋賀県長浜市草野にある鍛冶場の跡。草野は古代からつづく有名な鍛冶集落。
電子書籍の魅力は写真にある
うちの嫁さんはネットまわりのことにも、歴史かんけいのことにも関心がありません。したがって、電子書籍シリーズ「秀吉伝説集成」の刊行が開始されるという、桃山堂にとっては大きなイベントにも、コイツ、相変わらず何やっているのだか、という冷ややかな視線を投げるだけです。
とはいえ、無理やりiphoneに送りつけて、読んでもらったところ、
「写真がキレイね。全部、自分で撮った写真なの?」
というコメントでした。
内容については沈黙です。
確かに、タブレット、スマホで見ると、写真が光沢を放って輝き、紙で焼いた写真、パソコン画面でみる写真より鮮やかな印象がします。
気のせいでしょうか。何か理由があるのかもしれませんが、よくわかりません。
電子書籍掲載の写真をほぼ総替えして、大変だったこと
今回、電子書籍の配信、販売などを、学研グループの電子書籍会社ブックビヨンド社に委託しているので、電子書籍のファイルを一応、仕上げたあと、担当のSさんに送ってチェックしてもらいました。
Sさん 「写真ですけど、ほとんどがヨコですねえ」
わたし 「タテにできるものはタテにしていますが、撮影のとき、ヨコの構図で撮っているので、どうしてもヨコでつかいたくなるのです」
Sさん 「スマホもタブレットも画面はタテですから、電子書籍の写真はタテ。それが原則です」
わたし 「以前、勤務していた新聞社で、〈写真の基本はヨコ。タテは大きなサイズで載せるときだけ〉ということを教え込まれているので、つい、ヨコ写真ばかり、撮ってしまっているんです」
Sさん 「いろいろあるかもしれませんが、絶対、タテにしたほうがいいです」
私のささやかな抵抗もむなしく、写真は最大限、タテを増やすということになって、ヨコ位置の写真をトリミングしてタテにして、電子書籍ファイルに張り直すという作業を黙々と繰り返すことになったのです。
でも、変更してみると、その効果は絶大でした。
うちの嫁さんが、「写真はキレイ」といったのも、スマホ画面にタテ写真が大きく出ていたからだとおもいます。
ヨコ構図の写真を無理やりタテにした実例。
教訓
今回の反省をふまえての、自分への教訓です。
写真を撮影する段階で、ヨコ構図だけではなく、タテ構図の写真もきちんと撮影しておくこと。
そうすれば、電子書籍につかったときの写真映えはアップするし、手間ひまもかからないという二重のメリットがあります。
(つづく)