桃山堂ブログ

歴史、地質と地理、伝承と神話

『火山で読み解く古事記の謎』本日、発売開始。なんと、電子版も同時発売!

桃山堂・蒲池明弘の著書『火山で読み解く古事記の謎』が、文藝春秋社の新書として刊行されるということは先に紹介しましたが、アマゾンなどネット書店では本日、販売開始となりました。まだ、見ていませんが、主な書店では本日から並ぶという話です。

 

電子書籍をメインテーマとする当ブログにとって興味深いのは、『火山で読み解く古事記の謎』の電子版も同じく本日、販売開始となっていることです。

 

f:id:kmom:20170317095123j:plain

www.amazon.co.jp

 

桃山堂として、はじめての電子書籍を出したのは二〇一四年ですが、アマゾンキンドルの上陸するまえから、調査・研究をはじめていたので、当時の雰囲気はなんとなくわかります。

今から六、七年まえだと思うのですが、電子書籍にかかわる情報交換会とかセミナーなどに時々、参加していました。

日本でなかなか電子書籍が普及しないのは、大手出版社が新刊書の電子化をしぶっているからだ──。電子書籍にすでに携わっている人たちが、そんな議論をしているのをしばしば聞きました。

 

新刊発売から三か月あとの電子書籍化というのは、まだ良いほうで、新刊から一年後だとか、なかには作家の先生が電子書籍を嫌がって、電子化されない作品もすくなくない、という話も出ていました。

 

最近は、電子化されるタイミングが早まっていると聞いていましたが、自分自身の体験として、紙の本、電子書籍の同日発売を目の前で見ると、この数年の変化の速度を改めて感じます。

 

もちろん、ジャンルだとか出版社のスタンスで、紙の本と電子書籍の発売時期の関係はケースバイケースだとおもいます。

 

新書には、イギリスのEU離脱、トランプ政権の誕生など、時事的なテーマをすばやく書籍化する機能もあるので、たぶん、紙の本と同時に発売する合理性があるのだと推察されます。

 

本屋さんが店をあけるのは、午前十時、十一時というところでしょうから、細かくいえば、電子書籍のほうが、十時間くらい早く発売開始されていることになります。

 

発売開始まえから話題になっているスキャンダラスな本だとか、超人気作家の新作というような電子書籍であれば、あるいは十時間の時差のあいだに、売れるという現象がありうるのかもしれません。

 

『火山で読み解く古事記の謎』は、そのどちらでもなく、一五〇〇年まえの日本列島の巨大火山を思い描き、そこに古事記神話との結びつきを探ろうとする、すこし風変わりな本です。