桃山堂ブログ

歴史、地質と地理、伝承と神話

『邪馬台国は「朱の王国」だった』、まもなく刊行します。

文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』(蒲池明弘)が7月20日、刊行されます。昨年、文藝春秋から刊行された『火山で読み解く古事記の謎』とゆるやかにつながる続編といったところです。

 

ネット用の告知文です。

 

古代日本は朱の輸出で繁栄した「朱の王国」だった。
「朱」という視点で日本の神話と古代史を読みなおすと、目からウロコが!
長年、続く邪馬台国論争に一石を投じる画期的な論考の誕生。

 

日の丸、神社の鳥居や社殿、漆器、朱肉……と日本には朱色があふれており、この国のシンボルカラーといってもいいだろう。

朱の成分は火山地帯で産出される硫化水銀。火山国の日本では赤みをおびた石や砂として全国のいたるところで採掘できた。

朱は顔料・塗料として、防腐剤・防虫剤として、さらには不老不死をねがう薬品に欠かせない水銀の原料として、大変な価値をもっており、古代日本の重要な輸出品だった。

朱の産地が集積しているのは九州・奈良・伊勢。
そして神話、古代史には、これらの地が、いくどとなく登場する。

・なぜ神武天皇は九州南部から近畿(奈良)へ向かったのか。
・なぜ世界的にも巨大な墳墓(古墳)が奈良周辺で多く造られたのか。
邪馬台国の候補地は、なぜ奈良と九州が有力なのか。
・なぜ八幡宮の総本社は大分県宇佐市にあるのか。
・なぜ伊勢に国家的な神社が鎮座しているのか。
・なぜ奈良・東大寺の「お水取り」は火祭りなのか。

 

こうした疑問も「朱」を補助線にすると、定説とは異なる解が浮かび上がる。
半世紀もの間、埋もれていた仮説を手がかりに、日本の古代を探る。

 

朱の鉱物という色が重要な意味をもつテーマでありながら、新書という形式であるため、モノクロの写真しか掲載できませんでした。

というわけで、この本でとりあげた全国各地の取材現場の写真や関連記事を、このブログで掲載しようとおもいます。