邪馬台国は「朱の王国」だった
本日10月4日(東京周辺など)発売の『週刊文春』に掲載の書評ページ「私の読書日記」は、<邪馬台国研究の秀作、傑作>というタイトルをかかげ、邪馬台国本を三作とりあげています。そのうちの一作として、拙著『邪馬台国は「朱の王国」だった』が紹介されま…
『古代氏族系譜集成』という本をご存知でしょうか。 国立国会図書館の開架式の部屋のひとつ人文総合情報室には、系図・系譜にかかわる文献を並べているコーナーがあり、太田亮『姓氏家系大辞典』などの基本文献とともに、宝賀寿男氏による『古代氏族系譜集成…
拙著『邪馬台国は「朱の王国」だった』(文春新書)が、「古代国家の実像探る思考実験」というタイトルで、本日9月8日付け朝日新聞の書評欄で紹介されました。 www.asahi.com 「朱の交易が邪馬台国を盟主とする連合国家の最大のミッションであった」という記…
邪馬台国ブックリスト④ 今回、紹介するのは、2002年に出版された『邪馬台国の原像』です。今や絶滅危惧種ともいえる邪馬台国を論じる東大出身の歴史学者。平野邦雄氏はもしかすると、その最後のひとりだったかもしれない研究者です。 邪馬台国の原像 作者: …
朱・辰砂・水銀ブックリスト③ 朱(辰砂)の鉱山の開発が、邪馬台国の建国につながった──というユニークな論点の本が、一九六九年に刊行されています。それが今回、紹介する『日本における朱の経済的価値とその変遷』です。 鉱山史という視点から書かれた本で…
朱・辰砂・水銀ブックリスト② 今回、紹介する<朱の本>は、現在、東京・上野の国立博物館で開催中の『縄文 1万年の鼓動』の図録です。7月20日刊行の拙著『邪馬台国は「朱の王国」だった』(文春新書)の参考文献ではないですが、朱の日本史をかんがえるう…
伊勢新聞の8月5日付文化面で、拙著『邪馬台国は「朱の王国」だった』(文春新書)を紹介していただきました。 三重県かんれんの新刊書をとりあげる「三重の本 書評」というコーナーで、五段組の大きな扱いです。 三重県の伊勢地方は、奈良県の宇陀市・桜井市…
ネット上にブックレビューを書いている人たちの集う「本が好き!」というサイトに、文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』を献本しました。新作の本を無料で入手できるので、本好きの人には最適のサービスだと思いますが、レビューを必ず書くことが条件…
朱・辰砂・水銀ブックリスト① 1970年、早稲田大学文学部の教授であった松田壽男氏の『丹生の研究―歴史地理学から見た日本の水銀』(早稲田大学出版部)が刊行されたことによって、日本の歴史に朱(辰砂)・水銀が深くかかわっていることが知られるようになり…
邪馬台国ブックリスト③ 文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』を書くにあたって、邪馬台国かんけいの本を、旧作、新作とりまぜて可能なかぎり目を通しました。そのなかで最もインパクトのある本だとおもったのが、孫栄健氏の『決定版 邪馬台国の全解決』…
邪馬台国ブックリスト② 日本列島に朱・水銀の豊かな鉱床がある──。その情報が、中国文化圏にもたらされたのは、いつごろのことなのでしょうか。 文献のうえでは、三世紀後半に書かれた「魏志倭人伝」における「その山には丹あり」という記述が最初の事例です…
邪馬台国ブックリスト① 前回、申し上げたように、本の背景をなす<ネット博物館>構想は実現不可能という結論に至りましたので、現実的にできることとして、『邪馬台国は「朱の王国」だった』のなかで言及・参照している書籍、論文について紹介してみようと…
最近、出版した文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』を手渡しかたがた、大学時代の友人と久々に会って、もろもろの話をしたのですが、この本の背景に<博物館/資料館>的なネット空間を築くことができれば面白いのに、というようなことを言われました…
奈良と伊勢は日本列島における二大朱産地といっていいと思いますが、残念ながら、奈良には「朱の歴史」がわかる博物館、資料館がありません。文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』に関係する話題を紹介する企画の第四回は、伊勢地方にある二つの博物館…
2世紀から3世紀にかけての日本列島には、邪馬台国を盟主とする連合国家があったことが、「魏志倭人伝」にしるされています。 30か国ほどの連合国家のうち、ナンバー2といえるのが伊都国(いとこく)です。福岡県糸島市にあたることが確実視されているのは、…
文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』でとりあげた話題を、写真をつかって紹介する企画の第三回は「朱の墓」です。 前方後円墳をはじめとする豪華な古墳を特徴づけるひとつとして、朱(辰砂、硫化水銀)による装飾があります。 「朱一匁、金一匁」とい…
文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』(7月20日発売)に関係する話題を、写真をつかいながら、紹介してみます。第一回は、本書の主人公ともいえる朱の鉱物です。 国旗である日の丸。神社の赤い鳥居や社殿。朱塗りの漆器。印鑑の朱肉。私たちの身のまわ…
文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』(蒲池明弘)が7月20日、刊行されます。昨年、文藝春秋から刊行された『火山で読み解く古事記の謎』とゆるやかにつながる続編といったところです。 ネット用の告知文です。 古代日本は朱の輸出で繁栄した「朱の王国…