桃山堂ブログ

歴史、地質と地理、伝承と神話

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

伊勢地方の「朱の歴史」がわかる二つの資料館

奈良と伊勢は日本列島における二大朱産地といっていいと思いますが、残念ながら、奈良には「朱の歴史」がわかる博物館、資料館がありません。文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』に関係する話題を紹介する企画の第四回は、伊勢地方にある二つの博物館…

邪馬台国連合のナンバー2、伊都国に漂う濃厚な朱の気配

2世紀から3世紀にかけての日本列島には、邪馬台国を盟主とする連合国家があったことが、「魏志倭人伝」にしるされています。 30か国ほどの連合国家のうち、ナンバー2といえるのが伊都国(いとこく)です。福岡県糸島市にあたることが確実視されているのは、…

古墳時代に大流行した「朱(あか)い墓」

文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』でとりあげた話題を、写真をつかって紹介する企画の第三回は「朱の墓」です。 前方後円墳をはじめとする豪華な古墳を特徴づけるひとつとして、朱(辰砂、硫化水銀)による装飾があります。 「朱一匁、金一匁」とい…

丹生の地名と朱産地

文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』(7月20日発売)のスタート地点であり、最も頼りになる道しるべは、丹生(にう、たんじょう)という地名は、古代の朱産地である可能性が高いという学説です。 一九七〇年に刊行された松田壽男氏(早稲田大学教授、東…

朱の石を磨りつぶして、朱の砂とすること。

文春新書『邪馬台国は「朱の王国」だった』(7月20日発売)に関係する話題を、写真をつかいながら、紹介してみます。第一回は、本書の主人公ともいえる朱の鉱物です。 国旗である日の丸。神社の赤い鳥居や社殿。朱塗りの漆器。印鑑の朱肉。私たちの身のまわ…